赤ちゃんの名付け

名付けの目的は?現在の日本における名前の目的を解説

結論からいうと、「名付け」に目的はなく、親の「義務」であり、名前を付けられることは、産まれてくる赤ちゃんが当然のように有している「権利」であるということです。

以下の記事では、 「戸籍法」「子どもの権利条約」「名は体を表す」の3つの視点で「名前」について考察しています。

1.「名」とは戸籍上で個人を識別するためのもの

日本の戸籍は「氏」と「名」という形で記録するというルールになっていて、これを通常氏名と呼んでいます。

一般的なイメージと相違は無いと思いますが、「氏」とは簡単に言うと家系を示していて、どの集団に属しているかという意味があります。

「名」はその集団の中での個人を識別するという意味を持ってるので、同一戸籍内で同じ名前は使えないというのがルールになっています。

実際の名前の呼び方は個人の自由ですが、戸籍に登録される「名」をつけることを通常は「名付け」と呼んでおり、戸籍法に定められた範囲での「氏名」ということになります。

同一戸籍内となると親と子だけなので、祖父母と同じ名前は付けられますし、子供が生まれる前に親が死んでしまった場合は、親と同じなまえをつけることも、法律上は可能です。

戸籍法においては、あくまでも同一戸籍内における個人の識別。という位置付けだと理解しておけばいいかと思います。

2.日本人としての身の上を証明するために必要

なぜ、戸籍への氏名の登録が重要かというと、それは、 自分自信の日本人としての身の上を証明するためです。生体認証機能などはついていないため、実際「なりすまし」も可能ではありますが、日本において、自分が自分であると証明する手段は、法律上戸籍しかありません。戸籍に登録されていなければ、その時点で日本人として認められていないことになります。

戸籍が登録されていないと、税金を取られることは無いかもしれませんが、土地を持つこともできませんし、医療保険などの国のサービスも受けることができません。実際戸籍がない状態では、日本でまともに生活することは不可能だと言えます。

出生届を出すことは親の義務ですが、生まれた子がまともに生活していくためには必要不可欠ということです。

3.「氏名」は産まれてくる子の権利でありアイデンティティ

産まれてくる 子供には「氏名」と「国籍」を有する権利が有るとされ、それを実現することが国の義務となっています。

これは「子どもの権利条約」というものの第七条に明記されています。

産まれてくる子供は最も弱い存在であるために、親はもちろんのこと、世界がその人権の保護をするべきだという考えに基づいています。

日本において、氏名がない=戸籍がないというのは人権が無いものと同義であり、「氏名」こそがアイデンティティであるとの考え方もできるのでは無いでしょうか。

それほど、氏名は重要なものであり、子供をそれを有する権利を持っています。

4.名は体を表す

少し脱線しますが、戸籍としての氏名以外にも、名前が意味をもつ場面があります。それが「書類選考」です。

例えば大企業の採用など、大量の人を選別する必要がある場合、まず行われるのが書類選考です。そういった場面では、「人は外見ではなく、中身が大切だ」という信念を持っている人でも、大量に応募のあるなかから一人一人の「中身」を見抜くことは不可能になります。

要するに、「名前」である程度、その人間を判断しているということです。

特に新卒採用など、エントリーシートの書き方も標準化されてしまい、違いを見出すのが難しくなってくると、名前にも目がいってしまいます。

そのとき、いかにも真面目な名前と、いわゆるDQNネームやキラキラネームの2つが残ったとして、名前以外の条件がほぼ同じ場合、どちらが残るのか?ということです。

人事担当の趣味にもよりますが、堅い会社であれば、残るのは前者でしょう。どうしても、そのような名前をつけた親と、その親に育てられた子供。というイメージを持ってしまいます。

「そんな企業は願い下げだ!」という意見もあるかと思いますが、ここで言いたいことの本質は、人事担当が持つその 「イメージ」は、「個」ではなく、そういった集団の平均値で見られるということです。

その人間の「個」を知らない人にとって、「名前」というのはその人間のイメージを作り上げる重要な要素となり、また、それは「個」の本質と全く異なった物に結びつくことがある。ということです。

つまり、「名前」特に氏名の「名」については、印象付けにおいて重要な意味を持ちます。

5.まとめ

  • 「名付け」とは戸籍上の氏名の「名」を決める行為
  • 日本で人権を得ることが「名付け」の目的
  • 赤ちゃんには「氏名を持つ権利」=「人権」が有る
  • 「名は体を表す」

「名付け」「名前」は、「大切な親からの贈り物」とか、逆に「親にかけられた呪いとか」感情めいたものではなく、そういう一面も無くはないけど結局のところは、「個人を識別する記号」であり「基本的人権」である。

一方で、「名は体を表す」という言葉の通り、個人の印象を作り上げる要素の1つでも有る。

「名付け」は「義務」であり、目的や意味を持たせるならば、 「これから子供と人生を歩んでいく上で、子供自身がどのような印象を持たれることが最善か?」という観点で、人生の戦略の、印象作りという項目の、1つの要素として考えてみてはどうでしょうか?