赤ちゃんの名付け

赤ちゃんの名付けは権利?義務?法律での位置づけについて

1.名付けは義務であり権利でもある

戸籍法には以下のように書かれています。

第五十二条 嫡出子出生の届出は、父又は母がこれをし、子の出生前に父母が離婚をした場合には、母がこれをしなければならない。
○2 嫡出でない子の出生の届出は、母がこれをしなければならない。
○3 前二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には、左の者は、その順序に従つて、届出をしなければならない。
第一 同居者
第二 出産に立ち会つた医師、助産師又はその他の者
○4 第一項又は第二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には、その者以外の法定代理人も、届出をすることができる。
出典:戸籍法

色々と条件がありますが、基本的には親が出生届を出すことを義務付けられているため、名づけに関しても、親の義務となります。

同時に、名付けの権利も親にある。と言えるわけです。

しかし、実情では祖父や祖母の意見の方が強いといったケースもあるでしょう。

本当に争いになれば、「権利」を主張するということもありえるのでしょうが、そこは、”うまくやる“というのが最適解でしょう。新たな命を迎える者どうしで、無駄に争うべきではありません。

義務と権利は親にあるとしても、生まれてくる赤ちゃんを大切に思う気持ちは、祖父や祖母も同じく持っています。当然、良い名前にしたいという思いもあるでしょうから、親としての心構えは、周囲の意見を尊重しつつも、自分が納得のいく名前にするということが大切です。

意見されるのが嫌で事後報告にしたりして、関係がこじれてしまうことは、できれば避けたいですよね。

ただ、どうしても意見が合わないような場合や、外野が必要以上に干渉してくる場合は、やはり両親で相談して納得のいく名前を優先するべきでしょう。

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2.義父・義母の口出しは程々に

Yahoo!知恵袋にこのような相談が上がっていました。

名付け 義母の口出し
子どもの名前を考えていた時のことです。
生まれた後、義母が夫に名前を聞いたため、夫が「○○か、△△になると思う」と答えたところ、
「○○ は、名前には使わない漢字」と意見しました。
(中略)

元々過干渉で夫婦ともに距離を置いているため、名前を決める過程での報告はしないことになっていたのに、「言わない方が後々面倒臭いことになる(何の相談もなかった!と騒ぐため)」という理由で夫が喋ってしまいました。
(後略)

出典:Yahoo!知恵袋|名付け 義母の口出し

名付けは本来、親の義務であり権利で、誰にも邪魔されるものでは無いはずです。しかし、実際には祖父や祖母も、孫の名前は気になる者で、この質問者の方の例のように、意見してくることが多いでしょう。

とくに、自分の両親ならまだしも、義父や義母が口出ししてきて意見が合わないとなると、話がこじれやすいように思います。

息子や娘とは血が繋がった家族ですが、その結婚相手となると、やはり他人です。育ってきた環境も時代も違うので、価値観が合わないことの方が多いでしょう。

祖父や祖母の立場で意見をすると、当然、義父・義母としての意見にもなってしまいます。意見をしたところで、殆どの場合は「素晴らしい意見をありがとうございます!!」となることは無いので、やめておいた方が良いに決まっています。

この問題の解決方法は、息子・娘夫婦の中に、自分の意見を持ち込まない事です。

生まれてくる赤ちゃんの両親は、それぞれが自分の親と、赤ちゃんの名前について話すのは良いですが、その意見をそのまま、夫婦の会話に持ち込むことは危険ですので、やめましょう。

祖父や祖母の立場の人も、自分の息子や娘に対する意見にとどめ、話はそこで完結するべきです。どうしても自分の意見を通したいのであれば、我が子を説得して意見を変えるしかありません。

赤ちゃんの両親がそれぞれ自分の意見で持って話し合えば、大きな問題にはならないでしょう。 「自分の親が、こう言っていたから」というのは絶対に禁句です。

本来他人である義父や義母の意見を気持ちよく受け入れられる心の広い人は殆どいないと思っていた方が良いでしょう。

3.親としての最初の義務の1つ

産まれるまでしっかり育てる。そんな妻をサポートする。というのは当然の義務ですが、名付けをするというのも、育児における最初期の大事な義務です。

法律における義務であると同時に、道徳的にも責任を持って取り組むできことです。

日本に生まれた以上、戸籍に名前が登録され、その名前とともに生きていくことになります。「わたしには名前が無い」ということは認められませんし、そんなことでは不便でまともに生きて行けません。

日本という国の社会で生きていくには、それほど名前というものは重要になります。世界に多くの国がありますが、おそらく殆どの国で人々には名前があります。名前や、名付けに対する捉え方は、文化による違いはあれど、名前が重要であるということの証明には十分です。

当然ですが、生まれてくる赤ちゃんは自分で名前を決めることはできません。物心ついてから自分で名前を変えようと思っても簡単ではありません。だからこそ、 子を一番に思うはずの親にその義務と権利があるのだと思います。

実際、ここまで重く受けとめる人は多く無いでしょうし、その必要も無いかと思いますが、1つの命を授かった親としての大切な義務と捉えて、真剣に名付けに取り組むべきと考えます。

4.権利の濫用は禁物

人生における名前の重要性は理解していただいているものと思いますが、当然、「名付け」の権利を濫用することは禁物です。

戸籍法による枠組みはあるものの、人名に使える漢字は現在全部で2999種あり、読み方には制限が無いため、殆どどんな名前でも付けられてしまうというのが現状です。

昨今問題視されているDQNネームやキラキラネーム というものの中には、明らかに「権利の濫用」と思えるもがあります。

下記のリンクのサイトにある名前が全て実在している物かは確認のしようがありませんが、DQNネームが騒がれ始めた当初有名だった「王子様」や「幻の銀侍」という名前は本当に実在していたようで、本人がTVに出演していたりもしているようです。

参考|DQNネーム

この2人の例では、自分の名前で苦労したケースと、自分の名前が好きだというケースの両極ではありますが、どちらの方も好青年に成長されているように見えました。

このことから、「非常に珍しい名前」が必ずしも人生を狂わせる物では無いことは証明されましたし、ごく普通の名前でも苦しい人生を送っている人も実際にいます。

しかし、あまりに特殊な名前で苦労することがあるというのは事実ですし、安易に、「人と違う名前にしたい」というような感覚で、名付けを行うことは“権利の濫用”とも捉えられます。

「義務」であり「責任」である事を忘れ、「権利」だけをみて身勝手な名付けをしないよう、名付けた後の人生も含めて、親の義務であり責任であるということを忘れずに、素敵な名前を考えましょう。

5.まとめ

法律的には、まず「義務」であり、それ故に「権利」でもあります。

だからといって、権利を濫用するべきではありませんが、外野はその権利に踏み込むべきではありません。

法律の話であれば、明確で意見のしようがありませんが、実際のやりとりとなると、人間関係が複雑に絡み合ってきます。

赤ちゃんが生まれた後の関係を良好に保つためにも、赤ちゃんの両親、祖父母、そのほかの人も、お互いが配慮しあって、良い名前を考えてあげましょう。

赤ちゃんにとって良い名前をつけてあげることが何よりも優先ですし、みんなそれを望んでいるはずです。